2018年7月10日 (火)

フェスへ、めんどくささを愛でに。[週刊ビッグ・コミック・スピリッツ(2018.7.23号:通巻1983号)]

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『週刊ビッグ・コミック・スピリッツ(2018.7.23号:通巻1983号)』を購入。

中学生の頃から成人するくらいまで、一番の愛読誌でしたが、
だんだん漫画とか読む時間が無くなったため、
かれこれ15年くらい前に定期購入を停止してしまったスピリッツ。

もう二度と買うことはないかも知れないと思っておりましたが、
今週、オザケンが20年振りに雑誌表紙を飾るという知らせを受け、
遂に購入してしまいました。

今まで気づかなかったのですが、
ジュンク堂とかはこのテの雑誌は置いてないみたいで、
仕方なくコンビニを廻ってゲットした次第です。

めんどくせー(w

表紙とピンナップでその裏側に寄稿した文章『フェスへ、めんどくささを愛でに。』が掲載されており、
期待していたグラビア系ページは古畑星夏というグラドルで、
やや肩透かしをくらったような内容でしたが、
文章自体は相変わらず短いながらも面白い内容で、満足でした。




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2018年5月23日 (水)

魔法的モノローグ台本+4+2

Magic



小沢健二さんの著作『魔法的モノローグ台本+4+2』を読む。

「日本語と英語のあいだで」「仕事をせんとや、生まれけむ」、
「ロングジョンを探して」に加えて、
「うさぎ!」の「愉しい広告」4部作+2篇が掲載されている。

子どもの発する言葉から哲学的な思考を巡らせてみたり、
人間と仕事の関係について、
またロングジョンについてちょっと身近なことに触れたりと、
愉しく勉強になる一冊でした。

中でも『愉しい広告』の4部作はもう、結構今後の考え方とかにも影響してくるような内容で、
ちょっと参りました。
僕がやっていた『神戸★中年ステーション』では毎回小さなテーマで短い時間語ってたりしたのですが、
ボツになったネタトークのひとつに「街の広告とか貼り紙とかが五月蠅い」というネタがありました。
(※なんでボツになったのだか…、ボツになったネタほど何故かその後他の人が語っているのを目にするのがまた不思議)

我々と違うトコは、その広告の五月蠅さから始まって、
ブランド・ロイヤルティー(ブランドへの忠誠心)の説明とか、ぐいぐいと深く掘り下げて、
メディア論にまで持っていくところが説得力があって、
納得させられます。

あとは、人種差別についての記述もあったり、
ウェッジ・イシューに感情を掻き立てられる"大衆"についても論じられており、
こういう素晴らしい書籍こそ一般の書店に置かれるべきなのに、、、と勿体ない気がしました。

読後に自らの頭を駆け巡る思考が抑えられないほど、
刺戟的で本当の意味でためになる、そんな貴重な読書体験でした。

ヘタな社会学者よりもよっぽど深く社会学的な内容だったと思います。

…次からは何冊か買って、いろんな人に配りたいです。

オリーブは生きている。

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2018年5月 9日 (水)

春空虹之書(circa 2018)

Harusoraniji



小沢健二氏の著作『春空虹之書(circa 2018)』を読む。

フジロックNHK(SONGS)などのモノローグと、
DIY3部作が掲載されてある作品。

海外での生活と、子どもの誕生を経ての小沢健二の"気づき"が新鮮でとても愉しい。

なかでも『DIY3部作』はなかなかためにもなる考え方で、
「ローカリズムの反対はグローバリズムではなく、セントラリズム(中央主義)だ」とする視点は括目に値する。

「やっぱこの人頭いいなぁ」と想える丁寧で無駄のない文体もまた賢ぶってなくてニクい一冊。




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2018年3月 1日 (木)

新・堕落論

Kova



小林よしのりの漫画『新・堕落論』を読んだ。

いつもの分厚過ぎるまでの書籍と較べて、
ややスマートな一冊でしたが、
熱量は相変わらずで半端無かったです。

ただ、これまでと一風変わった作風に虚を突かれたのが率直な感想です。

(太宰治や夏目漱石などを切り口にした手法がとても判り易くてお見事でしたけど。)

具体的な対象を論ずるというよりも、
抽象的に社会問題を包む「堕落」を切り取った感じで全体が構成されていました。

身近なところではスマホだったり、不倫問題だったり、
それが天皇問題、共謀罪、果てはニーチェのルサンチマンにまで及び、
我々の「堕落」を証明するかのような厳し過ぎる一冊となっていました。

個人的には高校時代に坂口安吾の「堕落論」を読んで感銘を受けましたが、
今の高校生あたりにはリアリティを感じれるこの『新・堕落論』をまずオススメしたいです。

まさにPost-truthの時代を切り開く名著だと思います。

ただ、ひとつ気になるのが本の値段です。

この厚さで1500円…。

いえ、高いとかいうつもりはありません。

内容からすると安いくらいです。

けど、昔だと多分、1000円くらいで出せてたのだと思うのです。

つまり、それが1500円でないと採算が取れなくなっている。

それほどまで本を読む習慣が薄れてしまっている人々に、
この本の叫びが何処まで届くのか、ということが心配でなりません。

堕落、ヤだな…。

つか、作中によしりんが『駱駝論』みたいなギャグ入れて欲しかったですなんとなく。



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2018年2月25日 (日)

妻に捧げた1778話

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眉村卓氏の『妻に捧げた1778話』(新潮新書)を読んだ。

『時空の旅人』『ねらわれた学園』等で有名な作家の眉村卓さんが、
病気を患われた妻の闘病期間中、毎日一話ずつ、短編の物語をお書きになり、
それを奥様に読んでもらっていた、それが1778話にも及ぶというのだから、
まずは驚きだ。

こんな糞ぶろぐですら毎日書くのはなかなか難しいというのに、
毎日、それも1778日書いた事実だけで、
個人的にはすごく強い想いのようなものが伝わって来ました。

ただし、この本は時期毎にその中から幾つかの作品を抜粋して紹介、
合間は作者の当時の心境など解説を交えて書かれてあります。

どの短編もショートショートとして結構好きでした。
とても面白い切り口だし、とってつけたような変なオチが無いのも少し沁みる感じで良かったです。

ショートショートの掲載数は思ったよりも少なかったですが、
この本の趣旨を捉えるならこのくらいの点数で良かったと思います。

全体を通してなによりも伝えたかったのは、
妻を失うこの筆者の切実なる想いであり、
そのひとりの人生を通して、
人間の人生もまたショートショートなのだということだったのかも知れません。

それは時に理不尽で不条理で、
理解し受け入れるのにも苦労する。

だがしかし、それは日々どこかしこで綴られる短い物語として生まれ続けています。

この本によって気づかされ、励まされ、
生きる勇気を貰った気がします。




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2018年1月17日 (水)

大人の教養として知りたいすごすぎる日本のアニメ

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岡田斗司夫の『大人の教養として知りたいすごすぎる日本のアニメ』(KADOKAWA)を読んだ。

オタキングによるアニメの見方を解説した書籍ですが、
たぶん、Youtubeとかで観られるものを一冊にまとめた感じですね。

多分、この著者の出した本の中では上位に入るでしょう、結構読む価値のある本でした。

内容といえば、
"「アニメ」の観方"とひとくくりにされているのですが、
庵野秀明(シンゴジラ,エヴァ)、宮崎駿、新海誠(君の名は。)、富野由悠季(ガンダム)、片渕須直(こり世界の片隅に)それぞれを各章メインに語っておられます。

確かに、解説のやり方としては判るのですが、
実際にそのアニメを観ていない人が読んだときに、どれくらい理解できるのかはちょっと疑問でした。

特にガンダムのくだりなんかは流石に観てないと固有名詞だらけでさっぱりな気がします。
(一応僕は判りましたけど)

なので、はじめ思っていたような日本のアニメ「全体」がすごすぎるかのようなタイトル付けに後半は違和感を感じましたかね。

要するに、そのたかが5人くらいの(※他のひとの名前は出てきますが)巨大な才能はここに書かれてあるように素晴らしいのですが、
毎日のように流れまくっている糞みたいなアニメ作品について完全に無視している内容なので、
その辺が微妙なんですよね。

糞みたいなアニメは糞だから語るまでもない、と言われそうですが、
それではちょっと"日本のアニメ"を論ずるには慚無いですわな。

そりゃ、宮崎駿とか凄いでしょうよ、っていう。

まぁ、そのへんは置いておくとしまして、
この本の中で論ぜられる「ハイドラマ」「ロードラマ」という解説のくだりは、
映画とか観るときに役立つかも知れないので、
参考になるヒトも多いかも。

その説明で「大日本人」とか使ってたのも凄くわかり易いと想うし。

では最後に「ジャパニメーションがスゴい!」…とか、
どうせ東京オリンピックなんかでもアニメ推して利用するんでしょうが、
そういうおっさん感覚とはちょっと違う本とだけはフォローしておきます。




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2017年11月23日 (木)

埴原一亟古本小説集

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今年の夏ごろにふと出版された『埴原一亟古本小説集』(埴原一亟(著)/山本善行(編)/夏葉社)を読んだ。

明治生まれの作者が戦前、戦後にまたいで執筆したらしき短編が7話掲載されてあります。

それぞれ別の話しっぽいのですが、たまに主人公の名前が同じであったり、
境遇が似ていたりするので、本人の私小説的な部分も大きいのかも知れません。

「ある引揚者の生活」で樺太からの引き揚げ者を扱ってたりして、
新鮮に読めたし、どれもじわじわと内面に波紋を広げるような話しで、
当時のひとの体温を感じるような文体と内容にとても引き込まれました。、

中でも気に入ったのは、「翌檜(あすなろう)」というお話しで、
ゴタで屑本をあさって、たまに見つけた珍本などのせどりで生計を立てるという、
当時の底辺の人々の生活や心情なんかを実に素直に書き残していて、
読んでるうちに自分のことにようにすら思えて来るような、現実味がありました。

もしブックオフとかでこの小説を見つけて、
転売している人が読んだらどんな気持ちになるのだろう、と想像するとなんだかしみじみします。(w

他にもこの本では一番の長編「生活の出発」はサスペンス(?)的な展開もあって、かつ、当時の商売人の苦悩というか、
ぶっちゃけ借金問題とか、が物凄くリアリティがあるので、普通に引き込まれました。

他にも「十二階」「枇杷のころ」なんてのも胸に迫る作品ですし、
「かまきりの歌」なんかもとてもいい。

他の作品も読んでみたいと思い、検索してみたところ、
古書はとんでもない高値になっていて、現代では本人がなかなかせどられているみたいです。(w

本当に読みたいので、
なんとかこの作品をきっかけに今一度、全作品を出版して欲しいところです。

いや、いい本を読みました。

こんな人肌のあたたかい小説、なかなかないですよ。




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2017年10月 8日 (日)

デリカシー体操

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ヨシタケシンスケ氏の『デリカシー体操』(グラフィック社)を買ったのは1年前くらいなんですけど、
御紹介するのは今、というくらい自分内レヴューが溜まってるわけなんですけど…、
「あるかしら書店」をはじめとして絵本の方も最近沢山出してらっしゃるので、
そろそろ無理してでも御紹介しておかないと時代に乗り遅れるかな、と。

こちらの本はヨシタケシンスケ氏の可愛くてちょっと癒されるようなイラストがページにまばらに並べられたものなんですが、
観る角度によってはすごく詩的だったりもする、ちょっと味わいの深い一冊で、
読み進むのにとても時間がかかります。

読み飛ばして行くとあっという間に読めてしまうかもですが、
個人的にはすぐ立ち止まっては何度もその小さなイラストを眺めてしまうので、
相当時間のかかる一冊でした。

日常のささいな出来事とかを真空パックにしたような、
とても心を癒すイラストの数々。。。

ノスタルジックなあるあるネタ満載なので、
結構、普遍的だと思います。

最近気づいたのですが、
これはまさに現代の「北斎漫画」なんだと思います。

北斎が未だに評価を受けるように、
きっとこの作品も遠い未来にも評価されている気がします。




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2017年9月13日 (水)

アイスクリームが溶けてしまう前に(家族のハロウィーンのための連作)

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小沢健二と日米恐怖学会の『アイスクリームが溶けてしまう前に(家族のハロウィーンのための連作)』(福音館書店)を読んだ。

まぁまぁ字のある本だけど、挿絵も多いので、小学校の中高学年くらい向けの絵本って感じだ。

内容はハロウィーンをテーマにしたお話しなんだけど、
絵と文字のバランスとか滑らかな展開とか、とても愉しくて愉しくて、
子どもの頃に戻って夢中で読んでしまった。

結果、大人に向けられたノスタルジックなファンタジーだったんだけど、
もう、胸に滲みるというか、目が潤むというか、
とにかく素晴らしい作品でした。

一番は小沢健二氏の文章の良さで、
おそらく自身の子どもとかをイメージしながら書かれたんだと思えるようなやさしさがにじみ出ていた。

実は、こんな風に世界を感じることを忘れてしまった大人にこそ読んで欲しい一冊です。

言うまでもなく、できれば家族で愉しんだ方がいいかもとゆう本当の意味で「一家に一冊」って感じですね。

BGMには『フクロウの声が聞こえる』もどうぞ。

こちらも子どもたちへのメッセージを込めたような歌詞があるとてもやさしい歌でしたのでオススメです。

きっと、あなたの心に子供の情景が蘇ると思います。

Happy Halloween。wink




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2017年9月 1日 (金)

ルビンの壺が割れた

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宿野かほる氏の『ルビンの壺が割れた』を読んだ。

新潮社のキャッチコピー募集の宣伝戦略によって、
発売前にネット上で全文を公開されていて、
その時に一度読んでいたのですが、
書籍になって書店に並んでいると気になるもので、
軽く読める本だし、ちょいと購入してまさかの二度目の読書となりました。

物語はフェイスブックでかつて結婚寸前までいっていた女性を発見した50代の男性が、
女性にメッセージを送信したことから始まります。

徐々に、相手の女性からも返事が来るようになり、
その往復書簡の形式で全篇が描かれているのが特徴といえば特徴です。

学生時代に恋した気持ちや、想い出話しなんかを織り交ぜながら、
彼女が何故、結婚式当日に現れなかったのか?その真相へとふたりのやりとりは近付いて行きます。

サスペンスっぽく読むと、なんか伏線がどうとか言われがちですが、
二度目を読むと、なにげにヒントが散りばめられてあったりして、
そういう種の伏線みたいな仕掛けはあったんだな、と思いますし、
これはこれで良いのではないかと思いました。

最初ネットで読んだときは、ちょっと読後にモヤモヤしたところがあったのですが、
書籍版で書き換えてあった最後の一文にそのモヤモヤがスカッとさせられました。

この小説のキモとなるのはその最後の一文だったんですね。

ネット版では、長いネタ振りに対してのオチが無かったのが逆に気持ち悪かったってとこなのでしょう。
…むしろ、こういう感想を予測して、あえてネット版であの一文に差し替えていた気がしなくもないですが、
このオチでこそこの小説の切れ味となるのは間違いないでしょう。

結論から言うと、結構、面白く読めました。

読み易いし、いい暇つぶしになる一冊ですので、是非読んでもらいたいです。

p.s.折角フェイスブックでのやり取りという現代的な要素を使っているのに、縦書きなのが残念でした。
絶対、これは横書きでないとアカンやろ…。



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