2017年8月11日 (金)

ラ・ラ・ランド

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デイミアン・チャゼル監督の映画『ラ・ラ・ランド(LA LA LAND)』を観た。

L.A.が舞台だから『LA LA LAND』らしいので英語表記しないと意味が判らない気がしますので一応。

物語はとてもシンプルで、
女優を志すエマ・ストーンが、同じくジャズピアニストとして模索を続けるライアン・ゴズリングと運命的に出逢い、
恋をする。
そしてふたりの恋と夢がどうなるのか?みたいな映画だと思っていただいてよろしいかと。

ただ、これだけの説明だと恋愛が主軸にみえますけど、
-それだと最後にふたりがくっつくとかそんな話しになると思うのですが、そんな終わり方じゃないのでご安心を-
むしろそちらよりも夢を追う若者たちの情熱や挫折のほうがメインで、
マトモに観てしまうと泣きます(w

あと、ミュージカルかと思って敬遠されている方もいるかと思いますが、
最初の15分くらいはまんま100%ミュージカルなんですが、
それ以降はちょっと薄れて来て、バラード調だったり、ふたり一緒にピアノで歌を歌ったり、意外なくらい抑えてて、逆に物足りないくらいくらいで、
音楽をちょっと扱った映画程度のノリになってしまうので、あまり気にならずに観れるかと思います。

そういう点でもミュージカルとリアルドラマの線引き度合いが上手だったと思います。

それにしても最初のミュージカルシーンは素晴らしかった。
あのシーンだけでロスに集まる若者たちの夢や希望、野望に満ちた様子が全部伝わって来る。
しかもそれをワンカットで撮るなんて、常軌を逸してる(w
でも本当に映画史上に残るくらいの名場面だと思いました。

そんな感じで映画の20分くらいはこのテンションとクオリティで最後まで行けるのかと心配したくらいですが、
上記の通り、途中から普通の映画ぽく物語が進行していきます。

「冬春夏秋」・・・そして冬といった感じで物語を分割して構成あるのもなかなかこの映画にピッタリのやり方だった気がします。

あと、
全体的にエマ・ストーンが死ぬほど可愛いのですが、
ライアン・ゴズリングもまた死ぬほどカッコいい。

物凄く単純な感想だと思われるでしょうが、
このふたりの恋人シーン(※ラブシーンではない)をずっと観てられるだけでも満足なくらい、
それはそれは素敵なおふたりでした。

そんなふたりが夢に悩み苦しんでは互いを傷つけ支え合う、
その姿が全然いやらしくないのがいいんですよ。

その辺の漂う雰囲気からしてもうたまらない。happy02

往年のミュージカルの名作だけでなく、
ライトでアメリカンなラブコメみたいな要素もいいテイストで出して来てるので、
なんだかほっこりしました。

最近廃れて来てる映画ジャンルを最大限にオマージュしてるのが素晴らしいんですよ…。

そんなこんなでいろんな視点から観ても、
まさしく非の打ちどころがない出来栄えでした。

最期の冬の章も観る側にいろいろな感想を与えますし、ね。

とにかく、
ミュージカルが嫌いでラブコメが嫌いな怪力な牛丼好きな僕でも、
これだけ愛せるのですから、
紛うこと無き大傑作だと断言出来ます。

超オススメです。




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2017年8月 6日 (日)

シン・ゴジラ

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興行収入80億円超、シリーズ累計観客動員1億人突破と噂の映画『シン・ゴジラ』を観た。

『新世紀エヴァンゲリオン』庵野秀明が総監督・脚本を手掛けたことでも知られる当作品ですが、
正直、思ってたまんまの映画でして、初見の感想としては非常に薄っぺらいものしか心に残りませんでした。

ちょいと説明し難いのですが、"ゴジラ映画"としては結構面白かったのですが、
"映画"としてはまぁまぁな作品というか、
特段素晴らしいとは思えませんでした。スミマセン。

確かに『ゴジラ』による都市の破壊シーンはとにかく凄くて、
どうせCGだろ、とかどうのと言おうが、圧倒的に素晴らしい出来でした。

けど、その視覚的な衝撃を除けば、わりとカスみたいな映画でした。

まさしく、映像的視覚的にはこれまでのゴジラ、怪獣映画の中でも最高レベルのクオリティだと思います。

数年前の『ガメラ』青空撮影画期的でしたけど、それ以上の重量感とか生物感がありましたし、
あと、それこそハリウッド版『ゴジラ』よりも『ゴジラ』らしい画造りで感心しました。
都市に対してのゴジラのスケールが絶妙の感覚だといえます。

ただ、この作品のキモなのは主人公が(多分、長谷川博己なのでしょうが)、
-ゴジラ映画の宿命として仕方ないながら-ゴジラが主人公であるがために、やっぱり存在が小さ過ぎて何も感情移入できないところがあります。

そういう作りにしているのかも知れませんけど、
あれだけセリフを早口でまくしたててドラマを進めていく緊迫感はあるのに、
ゴジラを倒したい殺したい駆除したい"思い"(感情)が何故か伝わって来ない。

かろうじて、名脇役の俳優がリアリティを出しているけど、それ以外の人が人形過ぎているのが原因かも…。…あと、演出不足かな。

それから、大災害に対して官僚も政治家もみんなそうなんだよ、と言いたげではありますが、
机上の空論がメイン過ぎて、
指揮官がゴジラ以外のものに焦らされている様は人によっては面白いと思うんでしょうけど、
むしろそういう描き方自体が古臭く感じてしまった。

要するに震災でさんざ見せられてる光景を皮肉っているわりに、
ツメが甘いというか、どこかでまだ政府を信頼しているのかよ、って気がしてならない。

それで、最期にゴジラをどう処理するのか?ってところですが、
「ああ、ヤシマ作戦か…」と(w。

テンポで2時間乗り切ったのは評価するけど、
それでも「え?これで終わりなの?」と感じたのは矢張り、
根本的に中身が薄いからなんだと思います。

つまらない映画ではありませんが、
正直、『エヴァ』の3分の1くらいの面白さの作品でした。

こんなにヒットするならみんな『エヴァ』観た方がいいよ(w

庵野の実写作品では一番いいかも、だけど、予想の付いた作品でした。




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2017年7月26日 (水)

貞子vs伽椰子

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白石晃士監督の映画『貞子vs伽椰子』('16/邦)を観た。

以前観た『貞子3D』がこれでもかっていうくらい糞みたいな映画(途中から高校生の文化祭かと思った)だったので、
かなり観るかどうか迷ったけど、
実際観てみるとこれがなかなか良かった。

あらすじにも書かれてあったので、
若干ネタバレ気味ではありますが、
ちょっとストーリーを説明しますと、

山本美月演じる女子大生(JD)が友人の頼みを受けて古いビデオデッキを購入。
そこには呪いのビデオテープが入っていて、、、って感じで貞子の呪いを受けてしまう。
それでまぁ、都市伝説の教授に相談して、霊媒師のもとへ。
そこでなんだかんだあって、
結局、もっと上の霊媒師・経蔵(安藤政信)の助けをかりることに。

一方で、玉城ティナ演じる女子大生の方は、
呪いの家に足を踏み入れてしまっていて、
霊媒師の提案で、
要するに、貞子と伽椰子をぶつけて呪いを消滅させよう、といった、
なかなかぽっと出のアイデアでの映画にしては筋書きを立てようとしていて好感が持てた。

確かに、前半の普通のシーンとか、演技指導してんのかよ、というくらい、
大根な場面もあるのだが、
恐怖シーンは結構緊迫感があったし、
まずまずの成功をおさめた作品だと思う。

オチもまぁ、こんな感じでベストだったと思うし。

今日は「幽霊の日」。
たまにはホラーでも愉しんでは如何でしょうか。(w

『貞子vs伽椰子』、悪くないです。

p.s.貞子が髪の毛を武器にするのはいつからか知らんけど変だし、ジョジョっぽい。




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2017年7月23日 (日)

タイムループ 7回殺された男

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フィリプ・コヴァチェヴィッチ監督の映画『タイムループ 7回殺された男』('16/セルビア)を観た。

今のセルビアの映画のセンスが観てみたく思ったので、
鑑賞してみたんですけど、
なかなか小品てして面白かったです。

大傑作とまでは行きませんでしたが、
『トレスポ』ぽい映像センスで、注目に値する一作でした。

どこかの街の広場みたいなところで目覚める主人公。
彼には記憶がなく、携帯電話とマッチといった所持品しかない状態で、
そんな彼のもとに白い仮面をつけた4人のスーツ男が迫り寄る。
そして彼を見つけるなり発砲し、彼を殺害する。

殺された主人公が目覚めると先ほどと同じ時刻の同じ場所。

そんな彼のもとにはまた4人の仮面男が接近する…。

殺される度に、少しずつ自身の記憶と、置かれた立場を理解し始め、
どうしてこのループから逃れられるのか?

そんな物語となっております。

タイトルそのままのタイム・ループものですが、
思ったほどSF要素は少ないというか、サスペンスに近い造りになっています。

テーマとしてはすごく印象に残るもので良かったのですが、
肝心のタイムループの原因が不明なのだけが少し微妙な後味でしたかね。

けど、ほんと一見の価値はある映画でした。

ループものはわりと序盤で原因が判って、頭を駆使したりして徐々に改善していくってのが主流だったかと思いますが、
この作品は後半まで原因が不明となっていてひたすら逃げがメインなところが強く惹きつけられました。

強烈なオチでもあれば大化けしたかも知れないです。

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2017年6月25日 (日)

スティーヴン・キング ビッグ・ドライバー

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タイトルに"スティーヴン・キング"とか入れるのはどうかと思いながら、
(せめて「スティーヴン・キングの」とかにせんとわけわからんくないか?)
映画『スティーヴン・キング ビッグ・ドライバー 』を観た。

簡単なあらすじを書くと、
ある人気女性推理小説作家が、
森の近道を通過中に車が故障、
手助けしてくれた巨漢のトラック運転手に強姦されてしまう。
…ここから若干のネタバレになるけど、
そこまで書かないと興味持って貰えないかも知れないのでもう少しだけ書きますと、
男に暴力を受けて仮死状態だったその女性作家が、瀕死の状態で生還したあと、
その事件が何者かに仕組まれたものであることに勘付き、やがてその連中に復讐を計画するといった話しになって行きます。

正直、B級映画の域を出ず、
そんなにめちゃくちゃ凄い映画でも無いのですが、
さらっと観れて、それなりの深みもある佳作でした。

最後にいろいろ復讐に対しての理屈を捏ねてはいるけど、
実際は面白い設定と惹きつけるエンターテインメントの言い訳に過ぎず、
全体的に考えずに愉しめたのが良かったかなぁ。

実際は暴力に対して暴力で対抗するのは疑問もあるけど、
映画なんだし、こういった判り易いのもたまには良いんじゃないでしょうか。




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2017年6月 2日 (金)

連続ドラマW 社長室の冬-巨大新聞社を獲る男-

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wowowにて『連続ドラマW 社長室の冬-巨大新聞社を獲る男-』(全5話)を一気に鑑賞してみた。

堂場瞬一の原作を三上博史主演でドラマ化したのだから、
社会派で暑苦しいこと極まりないので、エアコンの温度を2度下げた。

日本の巨大新聞社『日本新報』が外資に身売りを画策、
その外資系「AMCジャパン」の全権を握る青井(三上博史)から出された条件は紙媒体の撤廃、ネットへの完全移行だった。

大物政治家から社長、株主らを相手に、ジャーナリズムのあり方を唱えつつ、
渡り合う青井に真実はあるのか
、そんな感じの内容だ。

まず、ネットと旧メディアである新聞との鬩ぎあいが今の時代にマッチしたテーマで非常に興味深かった。
実際に有り得るリアルな話しだし、最後まで目が離せなかった。

若干、気になったのは、人間関係がわりと狭くて、全体のスケールのでかさにしては小さくまとまった感じがした。
まぁ、その辺は全5話の中での限界があったのかも知れないけど。

そんな感じでずっとハイテンションで突き進む物語はなかなかでした。
地上波では浮ついた恋愛ドラマしかされない昨今、
本当は今こそ逆にこんな感じの硬派なドラマがウケる気がするのだけど、
テレビ屋も安易な視聴率争いしか目に行かず、
ドラマ製作の魂が無くなってしまったのだろう、情けない。

最後に矢張り、
特筆すべきは、最終話の三上博史の労組に乗り込んでの演説シーンだろう。
この場面こそがこの作品の核ともいうべきシーンで、なかなか痺れた。

真のジャーナリズムとは何か?

ネットニュースだけを見て生活している我々にもその問いは重く響いた。

…と、まぁ、最高に素晴らしい作品だったのですが、
最後のオチだけはちょっと首を傾げた。

確かに、ああいうオチの面白さは判るし、
或る意味定番、待ってましたなカッコよさもある。

けど、あんだけジャーナリズムを信じて、
ジャーナリズムを掲げていた青井があんなことでいいのか?

新米記者と現場で活躍する姿が最後の場面でなければ、
このドラマにおける彼の名ゼリフの総てが嘘になってしまうのではないだろうか。

あれでは青井はただの復讐に日本新報に戻って来てたのだと誤解すらされかねない。

このままでいいのか!

ドラマ制作班よ!!

お前たちはそれでもこれが真のドラマと言えるのか!!

p.s.テーマ曲がT2ぽくてカッコいいのでサントラ欲しかったのに出てないみたいで残念です。




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2017年5月28日 (日)

ルーム

Room


レニー・アブラハムソン監督の映画『ルーム』を部屋で観た。

エマ・ドナヒューの『部屋』を原作にし、
フリッツル事件を下敷きにしたこの作品は、
7年間もの間、見知らぬ男に誘拐・監禁された女性ジョイと、
そこで生まされた子どもを描いた物語です。

天窓がある納屋で、テレビや洗面所やベッドもあり生活は出来るものの、
劣悪な薄暗い部屋で母子は暮らしていた。

5歳になるジャックにとってはその部屋こそが世界の総てであり、
テレビの中の出来事は総てフィクションだと信じ込んでいる。

そんな母子が決死の覚悟で脱出を計画する。

とまぁ、これまでの映画だとその脱出がクライマックスとなるのでしょうから、
総ての粗筋を書いてしまったかと思われるかも知れませんが、
この映画にとってはその脱出に関しては通過点に過ぎないので、書いてみました。

映画の中盤で事件が発覚し、無事にふたりは保護されるのですが、
その後に女性の抱えてしまったトラウマや、
元の家族に戻ってから、要するに犯人に生まされた子なので、
その現実とどう向き合うのか、
また、マスメディアの興味の対象として扱われる中で、
母と子の関係を深層心理まで踏み込んで描いてあるところが素晴らしかったです。

アカデミー主演女優賞を受賞したブリー・ラーソンの演技はもとより、
子役のジェイコブ・トレンブレイも素晴らしい演技で、
静かなこの映画がここまで伝えられたのはこのふたりの力が大きかったと思いました。

特に後半に、再び「部屋」を訪れるシーンとかぐっときましたね。

「泣ける映画」みたいに言われがちですが、
個人的には母と子の関係にシンクロしてたわけではないので、
泣きはしませんでしたが、
人が生きる中での幸福であるとか、
家族の絆みたいなものにさまざまな想いを巡らせ、考えさせられた作品です。




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2017年5月24日 (水)

クロエ

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利重剛監督の映画『クロエ』(2002年/邦)を観た。

ボリス・ヴィアン『日々の泡(うたかたの日々)』をモチーフにした作品で、
詩的かつ濃醇な悲哀の恋愛物語だ。

プラネタリウムで働く高太郎(永瀬正敏)が出逢って恋に落ちたクロエ(黒江?)(ともさかりえ)と結ばれ、
周囲の友人たちに祝福されながら結婚する。
しかし、ある日クロエが肺に睡蓮の花の蕾を宿すという謎のシュールな病にかかってしまう。
あるきっかけで、蕾の咲く進行を遅らせるには花をクロエのそばに置いておくことだと気づいた高太郎は、
毎日彼女に花を捧げるが…、といった、御伽噺のような話しなのだが、
ボリス・ヴィアンほどに設定を架空のシュールな設定にしておらず、
他の世界観は我々の住む世界となんら変わりが無く、
そこにこの作品の意義があるように見受けられる。

この現実世界にふとしたシュールなひとつの設定を与えるだけで、
ファンタジー性が高まるだけでなく、物語は多様性を持って転がり始める。

この作品はそのその悲痛なまでの結末を迎えるが、それは異様な美しさをも映し出す。

共に日々を発見することに幸せを見出すクロエの姿と、
彼女を失いたくない一心で幸せすら見失う高太郎。

それ以外にも人々の哀しみと苦しみが、静かなトーンでひたすら描かれる。

その残酷な人生の転落に、何故だか美しさが垣間見えるそんな作品だった。

本当に恋とはそういうものかも知れない。




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2017年5月11日 (木)

アイアムアヒーロー

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花沢健吾原作の映画アイアムアヒーローを観た。

当ぶろぐで原作の漫画を御紹介したのがほぼ7年前ですか…。

…時間の経過が怖ろしく早いですな。。

その間に原作も終了し、当時予見した通りめでたく映画化までされておりました。

勿論、もっと早く観ることも可能でしたが、
原作の途中(完結した後から数えて丁度真ん中あたり)で興味が沈静化し、
その後は読むことすら忘れておった次第ですので、映画の方もそこまで熱心に観ようって感じではありませんでした。

まぁ、軽くレビューなど見渡すと、原作ラストに対してえらく批判的な意見が多いようで、
その辺も思った通り、悪い意味で予感的中しておったようです。

正直、10巻過ぎた辺りから、「ドラゴンヘッド」の例を想い出してしまい、
「こりゃもう無理だろ。早めに手を引いておかないと合計一萬円くらい無駄にするかもな」と思いまして、
撤退しました。

長年の経験から来る漫画読みの勘てやつです。

この手のパニックものは納得のいくオチを付けれないんですよね、個人の作家程度では。

なんか主人公のほかに生き残っている連中がいて、武装して組織化している時点で、
この作品がそのかつての失敗路線を歩んでいるのは明白でしたので。

ただ、
それでも、映画化の方はわりと気になっておりまして、
この度、じっくり観てみたわけなんですけど、
これが実に良かった。

当時指摘しておりましたように、
原作の物語構成が映画を意識してたので、そういった意味でもこの映画化に上手に反映されていた気がしました。

その上で、原作の途中段階での映画化となると、
どうオチつけるのかな?ってところなんでしょうけど、
後半は大死闘からの生還という形で、ゾンビ映画のセオリー通りで、これまた巧みに逃げ切った感じで良かったです。

ストーリーは簡単に説明すると、ただのゾンビ映画です。
漫画家のアシスタントをしている主人公がいて、
ある日、周りの人間が次々とゾンビ化していく。
ウイルス性らしく、パンデミック状態。
噛まれたら自分もゾンビになってしまうので、ひたすら逃げる、って感じのありふれた話し。
ただ、舞台が日本であるってのが重大なポイントで、
日本人が日本人の観点から撮ったゾンビ映画であるという点です。

これまでもそういったゾンビ作品はありましたけど、
大概は自主製作に近いインディーズ系のB級Vシネ糞低予算レヴェルの作品で、
ここまで本格的なA級レベルの予算で撮られたゾンビ映画はここ日本ではなかなか珍しいかと思います。

ゾンビ映画の醍醐味としてのサヴァイヴァルがCG等特殊技術でここまで出来るという、
現時点での日本映画の限界点を垣間見れた一作じゃないかな、と思います。

勿論、そのデキ映えがなかなかにクオリティが高いので、
ゾンビ100体くらいを倒すくだりはかの傑作『フロム・ダスク・ティル・ドーン』を髣髴とさせる。

これにもうひと段階、おバカな展開なんかを余裕で創れるようになったら、
日本映画はスプラッター系ホラーでもそこそこイケるんじゃないかな。

そんな希望を抱かせて戴いた『アイアムアヒーロー』、オススメです。




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2017年5月 7日 (日)

ヘイトフル・エイト

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クエンティン・タランティーノの8作目にして、第88回アカデミー賞作曲賞受賞作という何処まで狙ったのか判らないくらい8尽くめの『ヘイトフル・エイト』8回観た。

雪山で遭難気味の賞金稼ぎのマーキス・ウォーレン少佐(サミュエル・L・ジャクソン)が、
賞金首の囚人女ドメルグ(ジェニファー・ジェイソン・リー)を連れ運ぶ道中の首吊り人ジョン・ルース(カート・ラッセル)の馬車に乗せて貰い、
保安官クリス・マニックス(ウォルトン・ゴギンズ)を交えて「ミニーの紳士服飾店(ロッジ)」へ。

吹雪も激しくなり、
嵐をやり過ごすため停車したその店にはメキシカンのボブ(デミアン・ビチル)と、オズワルド・モブレー(ティム・ロス)、
カウボーイのジョー・ゲージ(マイケル・マドセン)、老将軍サンディ・スミサーズ将軍(ブルース・ダーン)の4人が先客として待ち受けていた。

用心深いジョン・ルースは、そのうちの誰かがドメルグを奪い返しに来た刺客であると推察するが、
会話の中次第にその均衡は崩れて行くことに。。

予告篇などでは「密室ミステリー」みたいな紹介をよくされていたと思うけど、
まぁ、そのミステリー部分は正直そんなに大した感じでもないので、
推理しても仕方ない作品ではありました。

けど、3時間くらいある作品なのにまぁ、飽きずに観れます。

もうほとんど脚本の力ですね、これは。
クエンティンの脚本家としての才能をまざまざと見せつけられた気がします。

馬鹿みたいな会話ばかりなんだけど、喋る度にキャラクターが深みを増して行くのは本当に凄いです。

まさに短編小説みたいな物語を3時間の映画にしたみたいなそんな一本。

血も涙もない結末といい(血はたっぷりあるか…(w…)、
どっぷり雰囲気に浸らせてくれるという意味ではクエンティン作品の真骨頂という感じです。

全員ウソつきだけど、
映画というウソの世界はウソじゃないくらいリアルでしたし、
傑作なのか名作なのか、
現時点では判断し辛いところですが、
一級のエンターテインメント作であることは間違いないので、是非ご覧ください。

残虐シーンは真面目一本槍な僕には刺激強過ぎなところがありましたけど…。(w

サントラもいい雰囲気なのでオススメです。delicious



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