2017年6月 2日 (金)

連続ドラマW 社長室の冬-巨大新聞社を獲る男-

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wowowにて『連続ドラマW 社長室の冬-巨大新聞社を獲る男-』(全5話)を一気に鑑賞してみた。

堂場瞬一の原作を三上博史主演でドラマ化したのだから、
社会派で暑苦しいこと極まりないので、エアコンの温度を2度下げた。

日本の巨大新聞社『日本新報』が外資に身売りを画策、
その外資系「AMCジャパン」の全権を握る青井(三上博史)から出された条件は紙媒体の撤廃、ネットへの完全移行だった。

大物政治家から社長、株主らを相手に、ジャーナリズムのあり方を唱えつつ、
渡り合う青井に真実はあるのか
、そんな感じの内容だ。

まず、ネットと旧メディアである新聞との鬩ぎあいが今の時代にマッチしたテーマで非常に興味深かった。
実際に有り得るリアルな話しだし、最後まで目が離せなかった。

若干、気になったのは、人間関係がわりと狭くて、全体のスケールのでかさにしては小さくまとまった感じがした。
まぁ、その辺は全5話の中での限界があったのかも知れないけど。

そんな感じでずっとハイテンションで突き進む物語はなかなかでした。
地上波では浮ついた恋愛ドラマしかされない昨今、
本当は今こそ逆にこんな感じの硬派なドラマがウケる気がするのだけど、
テレビ屋も安易な視聴率争いしか目に行かず、
ドラマ製作の魂が無くなってしまったのだろう、情けない。

最後に矢張り、
特筆すべきは、最終話の三上博史の労組に乗り込んでの演説シーンだろう。
この場面こそがこの作品の核ともいうべきシーンで、なかなか痺れた。

真のジャーナリズムとは何か?

ネットニュースだけを見て生活している我々にもその問いは重く響いた。

…と、まぁ、最高に素晴らしい作品だったのですが、
最後のオチだけはちょっと首を傾げた。

確かに、ああいうオチの面白さは判るし、
或る意味定番、待ってましたなカッコよさもある。

けど、あんだけジャーナリズムを信じて、
ジャーナリズムを掲げていた青井があんなことでいいのか?

新米記者と現場で活躍する姿が最後の場面でなければ、
このドラマにおける彼の名ゼリフの総てが嘘になってしまうのではないだろうか。

あれでは青井はただの復讐に日本新報に戻って来てたのだと誤解すらされかねない。

このままでいいのか!

ドラマ制作班よ!!

お前たちはそれでもこれが真のドラマと言えるのか!!

p.s.テーマ曲がT2ぽくてカッコいいのでサントラ欲しかったのに出てないみたいで残念です。




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2017年5月28日 (日)

ルーム

Room


レニー・アブラハムソン監督の映画『ルーム』を部屋で観た。

エマ・ドナヒューの『部屋』を原作にし、
フリッツル事件を下敷きにしたこの作品は、
7年間もの間、見知らぬ男に誘拐・監禁された女性ジョイと、
そこで生まされた子どもを描いた物語です。

天窓がある納屋で、テレビや洗面所やベッドもあり生活は出来るものの、
劣悪な薄暗い部屋で母子は暮らしていた。

5歳になるジャックにとってはその部屋こそが世界の総てであり、
テレビの中の出来事は総てフィクションだと信じ込んでいる。

そんな母子が決死の覚悟で脱出を計画する。

とまぁ、これまでの映画だとその脱出がクライマックスとなるのでしょうから、
総ての粗筋を書いてしまったかと思われるかも知れませんが、
この映画にとってはその脱出に関しては通過点に過ぎないので、書いてみました。

映画の中盤で事件が発覚し、無事にふたりは保護されるのですが、
その後に女性の抱えてしまったトラウマや、
元の家族に戻ってから、要するに犯人に生まされた子なので、
その現実とどう向き合うのか、
また、マスメディアの興味の対象として扱われる中で、
母と子の関係を深層心理まで踏み込んで描いてあるところが素晴らしかったです。

アカデミー主演女優賞を受賞したブリー・ラーソンの演技はもとより、
子役のジェイコブ・トレンブレイも素晴らしい演技で、
静かなこの映画がここまで伝えられたのはこのふたりの力が大きかったと思いました。

特に後半に、再び「部屋」を訪れるシーンとかぐっときましたね。

「泣ける映画」みたいに言われがちですが、
個人的には母と子の関係にシンクロしてたわけではないので、
泣きはしませんでしたが、
人が生きる中での幸福であるとか、
家族の絆みたいなものにさまざまな想いを巡らせ、考えさせられた作品です。




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2017年5月24日 (水)

クロエ

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利重剛監督の映画『クロエ』(2002年/邦)を観た。

ボリス・ヴィアン『日々の泡(うたかたの日々)』をモチーフにした作品で、
詩的かつ濃醇な悲哀の恋愛物語だ。

プラネタリウムで働く高太郎(永瀬正敏)が出逢って恋に落ちたクロエ(黒江?)(ともさかりえ)と結ばれ、
周囲の友人たちに祝福されながら結婚する。
しかし、ある日クロエが肺に睡蓮の花の蕾を宿すという謎のシュールな病にかかってしまう。
あるきっかけで、蕾の咲く進行を遅らせるには花をクロエのそばに置いておくことだと気づいた高太郎は、
毎日彼女に花を捧げるが…、といった、御伽噺のような話しなのだが、
ボリス・ヴィアンほどに設定を架空のシュールな設定にしておらず、
他の世界観は我々の住む世界となんら変わりが無く、
そこにこの作品の意義があるように見受けられる。

この現実世界にふとしたシュールなひとつの設定を与えるだけで、
ファンタジー性が高まるだけでなく、物語は多様性を持って転がり始める。

この作品はそのその悲痛なまでの結末を迎えるが、それは異様な美しさをも映し出す。

共に日々を発見することに幸せを見出すクロエの姿と、
彼女を失いたくない一心で幸せすら見失う高太郎。

それ以外にも人々の哀しみと苦しみが、静かなトーンでひたすら描かれる。

その残酷な人生の転落に、何故だか美しさが垣間見えるそんな作品だった。

本当に恋とはそういうものかも知れない。




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2017年5月11日 (木)

アイアムアヒーロー

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花沢健吾原作の映画アイアムアヒーローを観た。

当ぶろぐで原作の漫画を御紹介したのがほぼ7年前ですか…。

…時間の経過が怖ろしく早いですな。。

その間に原作も終了し、当時予見した通りめでたく映画化までされておりました。

勿論、もっと早く観ることも可能でしたが、
原作の途中(完結した後から数えて丁度真ん中あたり)で興味が沈静化し、
その後は読むことすら忘れておった次第ですので、映画の方もそこまで熱心に観ようって感じではありませんでした。

まぁ、軽くレビューなど見渡すと、原作ラストに対してえらく批判的な意見が多いようで、
その辺も思った通り、悪い意味で予感的中しておったようです。

正直、10巻過ぎた辺りから、「ドラゴンヘッド」の例を想い出してしまい、
「こりゃもう無理だろ。早めに手を引いておかないと合計一萬円くらい無駄にするかもな」と思いまして、
撤退しました。

長年の経験から来る漫画読みの勘てやつです。

この手のパニックものは納得のいくオチを付けれないんですよね、個人の作家程度では。

なんか主人公のほかに生き残っている連中がいて、武装して組織化している時点で、
この作品がそのかつての失敗路線を歩んでいるのは明白でしたので。

ただ、
それでも、映画化の方はわりと気になっておりまして、
この度、じっくり観てみたわけなんですけど、
これが実に良かった。

当時指摘しておりましたように、
原作の物語構成が映画を意識してたので、そういった意味でもこの映画化に上手に反映されていた気がしました。

その上で、原作の途中段階での映画化となると、
どうオチつけるのかな?ってところなんでしょうけど、
後半は大死闘からの生還という形で、ゾンビ映画のセオリー通りで、これまた巧みに逃げ切った感じで良かったです。

ストーリーは簡単に説明すると、ただのゾンビ映画です。
漫画家のアシスタントをしている主人公がいて、
ある日、周りの人間が次々とゾンビ化していく。
ウイルス性らしく、パンデミック状態。
噛まれたら自分もゾンビになってしまうので、ひたすら逃げる、って感じのありふれた話し。
ただ、舞台が日本であるってのが重大なポイントで、
日本人が日本人の観点から撮ったゾンビ映画であるという点です。

これまでもそういったゾンビ作品はありましたけど、
大概は自主製作に近いインディーズ系のB級Vシネ糞低予算レヴェルの作品で、
ここまで本格的なA級レベルの予算で撮られたゾンビ映画はここ日本ではなかなか珍しいかと思います。

ゾンビ映画の醍醐味としてのサヴァイヴァルがCG等特殊技術でここまで出来るという、
現時点での日本映画の限界点を垣間見れた一作じゃないかな、と思います。

勿論、そのデキ映えがなかなかにクオリティが高いので、
ゾンビ100体くらいを倒すくだりはかの傑作『フロム・ダスク・ティル・ドーン』を髣髴とさせる。

これにもうひと段階、おバカな展開なんかを余裕で創れるようになったら、
日本映画はスプラッター系ホラーでもそこそこイケるんじゃないかな。

そんな希望を抱かせて戴いた『アイアムアヒーロー』、オススメです。




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2017年5月 7日 (日)

ヘイトフル・エイト

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クエンティン・タランティーノの8作目にして、第88回アカデミー賞作曲賞受賞作という何処まで狙ったのか判らないくらい8尽くめの『ヘイトフル・エイト』8回観た。

雪山で遭難気味の賞金稼ぎのマーキス・ウォーレン少佐(サミュエル・L・ジャクソン)が、
賞金首の囚人女ドメルグ(ジェニファー・ジェイソン・リー)を連れ運ぶ道中の首吊り人ジョン・ルース(カート・ラッセル)の馬車に乗せて貰い、
保安官クリス・マニックス(ウォルトン・ゴギンズ)を交えて「ミニーの紳士服飾店(ロッジ)」へ。

吹雪も激しくなり、
嵐をやり過ごすため停車したその店にはメキシカンのボブ(デミアン・ビチル)と、オズワルド・モブレー(ティム・ロス)、
カウボーイのジョー・ゲージ(マイケル・マドセン)、老将軍サンディ・スミサーズ将軍(ブルース・ダーン)の4人が先客として待ち受けていた。

用心深いジョン・ルースは、そのうちの誰かがドメルグを奪い返しに来た刺客であると推察するが、
会話の中次第にその均衡は崩れて行くことに。。

予告篇などでは「密室ミステリー」みたいな紹介をよくされていたと思うけど、
まぁ、そのミステリー部分は正直そんなに大した感じでもないので、
推理しても仕方ない作品ではありました。

けど、3時間くらいある作品なのにまぁ、飽きずに観れます。

もうほとんど脚本の力ですね、これは。
クエンティンの脚本家としての才能をまざまざと見せつけられた気がします。

馬鹿みたいな会話ばかりなんだけど、喋る度にキャラクターが深みを増して行くのは本当に凄いです。

まさに短編小説みたいな物語を3時間の映画にしたみたいなそんな一本。

血も涙もない結末といい(血はたっぷりあるか…(w…)、
どっぷり雰囲気に浸らせてくれるという意味ではクエンティン作品の真骨頂という感じです。

全員ウソつきだけど、
映画というウソの世界はウソじゃないくらいリアルでしたし、
傑作なのか名作なのか、
現時点では判断し辛いところですが、
一級のエンターテインメント作であることは間違いないので、是非ご覧ください。

残虐シーンは真面目一本槍な僕には刺激強過ぎなところがありましたけど…。(w

サントラもいい雰囲気なのでオススメです。delicious



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2017年5月 6日 (土)

バーディ

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GWにすることも無く、
ぼんやりと窓の外を眺めていると、
ふとこの作品を想い出し、
アラン・パーカー監督の映画『バーディ』を観ました。

30年振りくらいになりますので、おおよその内容は忘れてしまっているかと思いましたが、
逆に多くの記憶が残ってあり、如何にこの作品が素晴らしいのかを再確認した次第です。

物語は、アル(ニコラス・ケイジ)と変わり者の親友バーディ(マシュー・モディン)のふたりを主人公とした話しで、
ベトナム戦争で精神を蝕まれ、廃人同然となったバーディーの元へ、
同じく戦争で負傷したアルが訪ねていくというなんとも重たい社会派の作品です。

バーディは昔から「鳥になりたい」と願う青年で半ば変人扱いされていて、
アルは普通に社交的でありながらもそんなバーディと青春を共にする。

そんなふたりの過去と今が交互にオーバーラップしながら物語は進行していく。

最近ダニー・ボイルあたりが頻繁に使っている手法だけど、
エピソード毎の映画的説得力があったし、
やはりこの手法が、監獄みたいな病室でのやり取りとノスタルジックな風景の対比を際立たせていて、
見事としか言いようがありませんでした。

言葉すら発さなくなったバーディーを現実に引き戻そうと懸命に話し続けるアルが、
ある時点から自らの告白によって精神を回復せていくようにも感じられます。

それによってバーディよりは平常心を保っているのですが、実は彼も精神をひどく病んでいるのが伝わって来ます。

演技や演出が巧過ぎで、途中からの引き込まれ方がハンパじゃないので、
彼らの心の傷みが自分の中の挫折やら何やらにも絡みついて来る気がしました。

そして、最後のシーンで、
つまり、オチで総てが決まるくらいの映画なんですが、
あの希望的なエンディングはまさに映画史に残る名シーンだと思います。

今観ると尚のこと名作だと思いました。

P.S.ここまで書き終えてwowow点けたら『スラムドッグ・ミリオネア』やっててちょっと偶然にビビッた。
GWに如何にも映画らしい映画を観たいってことなのかな?とか思いつつ、こんな名作が何故かブルーレイ出てないのも不思議だな、とか。



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2017年1月19日 (木)

あなたのママになるために

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ペネロペ・クルス(ペネロペ・クルーズ)主演の映画あなたのママになるために(2015年/スペイン・フランス合作)を観た。

普段ならば、暴力描写と性描写あふるる映画しか興味がわかないのだが、
小林麻央さんと市川海老蔵さんのことが気の毒なのがずっとkokoroに残ってたからか、
乳がん患者を題材にしたこの作品に目が留まった。

スペインのマドリードに住む主人公の女性マグダが、
ふと胸に違和感を感じて病院へ行ったところ、
乳がんと診断され右胸を切除することになる。

彼女にはひとり息子ダニの存在があり、
試合を観戦しに訪れたサッカー場で、
アルトゥーロという妻と娘を亡くした男性と出会い、互いに惹かれあっていくようになる。

//////////////////////ここからネタバレ含/////////////////////////////////////////////

術後も順調で3人の幸せが続いていた矢先、突然乳がんが再発する。
がんが転移してしまっていて余命半年。

そして、時を同じくして、アルトゥーロとの子供を授かっていることがわかるのだった…。

闘病ものなのは判っていたので、ある程度の覚悟はしておりましたけど、
なかなか切なく、また、いのちについて非常に深く考えさせられる作品でした。

特にネタバレとなった部分(↑)が、マグダが幸せであればあるほど哀しみが画面に充満するようで、
観ていられないくらいの気持ちになりました。

お腹に子どもができたのに余命は半年、、
どう考えても計算が合わないではないか。

この作品の胆はこの設定にあったのだと思います。

このある種の究極の状況下での女性の、人間の、生命とその美しさを映し出す脚本と映像、
その総てが美しく、尊かった。

エンディングについてはふれませんが、
良質のとても心に残る一作でした。

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2017年1月 4日 (水)

放送禁止~ワケあり人情食堂~

正月(1/2)の深夜から『放送禁止~ワケあり人情食堂~』が放送されたらしいが、
関西はたぶん放送してなかったかと。

DVD化まで待つのもなんだし、
仕方ないのでフジテレビオンデマンドで観たわけだが、
今回も結構面白かったと思います。

今回より有田哲平氏がタモリ氏が如くストーリーテラーとして登場し、
これはおそらく賛否別れるところだと思いますけど、
個人的には初めは抵抗ありましたけど、
後から考えると、なんかテレビでよくみるタレントさんが司会っぽくやってくれるとよりリアリティが増す気がしました。

なんとなくまた放送やりそうな含みをもった発言もあったし、
有田氏の起用によって新作が作られていくのだとしたら、大いに受けれたいと思います。

////////////////////以下ネタバレ///////////////////////////////////////////

お客の悩み相談を無料でやりながら食堂を切り盛りする人情女将を取材しつつ、
外国人労働者の問題なんかをも取り上げていくドキュメンタリー、、を装いつつ(w、
強盗にあったアジアの大富豪の家族と優秀な部下3人による犯人の暗殺という真実のストーリーが描かれてあるという、
1時間ちょいにしては見どころのある適度な謎解きモキュメンタリーとしての出来は手慣れたもので、よくできてた。

丁度いい感じで厭な気分になりました。(w

今回もわかり易かったのですが、
謎解きポイントを記憶ししてる分だけ記載しておきますね。

・メニューの配置が何度か変わっていて、上一列の読みがメッセージになっていた。

「標的はグエン親の仇」
「偶然を装って暗殺せよ」など。Img_2577

・グエンは常に過去にトラック突っ込んだ席に座らされている。

・「答々食堂」の答々の意味→ 答が2つ=「Answer Two」=「アンサー・ツー」=「暗殺」を意味している。

・食堂の店主3人が部下で、バイトの子が大富豪の娘。店主3人は入れ替わりながら、暗殺に使えそうな客の行動を監視している。
※トラックの運転手のゲイの告白現場にいたりとか、ときどき映り込んでいた。

・女将がグエンにゲイ男の厭がるセリフを教え込んでいたのち、酒乱なのを知って、バイトの娘が酒を飲ませて殺害を仕向けた。
その後、メニューの配置が「目的は達成した」となっていたので、グエン狙いだったことが確定。Img_2575

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まぁ、僕にしか気づかなかった!みたいなネタは無いと思いますけど、
DVD出てからもう一度観るときのためにメモがてら此処に書いておきます。(w



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2016年12月20日 (火)

ラッシュアワー

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どうでもいい映画
ってのはいつ観てもいいと思うあまり、
何年も観逃していることが多い。

別にその「どうでもいい」は馬鹿にした意味じゃなくて、
今観ておかないとヤバいかも知れない感のない、それこそいつ観てもそれなりの面白さが保証されていそうなエンターテインメント作品というニュアンスだ。

ともあれ、この度『ラッシュアワー』(1998年/米)をマジで今更ながらに観ました。

ジャッキー・チェンとクリス・タッカーという大好きな二人が共演しているにも関わらず、
完全なまでに観る機会を逃し続け、
知らぬ間に3まで作られ、更にはアニメ化までされようとしているこの映画を、
まさにどうでもいい時期にどうでもいい気分で観てみました。

物語はロスを舞台に、
中国総領事の娘が誘拐される事件が起こる。

それは総領事のハンに恨みを抱く組織の犯行なのだった。

FBIが捜査をはじめる中、ハンの友人でもあるリー警部(ジャッキー・チェン)を捜査に加えるよう頼まれるのだったが、
その刑事にもしものことがあってはならない、とFBIは適当に観光でもさせておけとばかりに、
ダメ刑事のカーター刑事(クリス・タッカー)に相手をさせようとする。

一刻も早く捜査に参加したいジャッキーと、その邪魔をするクリス・タッカーのやり取りが前半の大半を占めるコメディ・タッチのアクション映画だ。

東洋人としてジャッキーに肩入れして観てしまっているとはいえ、
本当に彼のアクションや身のこなしがスタイリッシュで格好いい。

対するクリス・タッカーの超舌なベシャリとパフォーマンスが見事にハマっていて、
映画のバランスが見事だと思った。

このふたりの組み合わせを考えた奴はいい勘してると思った。

うん、確かにいつ観てもいい映画だった。

未見の方はいつか観て下さい。




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2016年11月29日 (火)

この世界の片隅に

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こうの史代原作、片渕須直監督の映画『この世界の片隅に』を観ました。

原作が好きな作品はなかなかアニメ化なんかされても興味がわかないのだけど、
巷の評判が高く、あちこちで話題になっておったので、劇場で観ておくべきなのかも知れないと思いまして、
脚を運びました。
公開日程をみると、この1日しか空いてないってトコでギリギリ観た感じです。

感想としては、本当に映画館で観ておいて良かった。

まぁ、相当な熱意で創られた作品なのがひと目で判るほど、徹底的にこだわったアニメーションで、
可愛らしいこうの史代キャラが動くだけでも満足なのに、
一本の映画としての完成度が異様に高く、我が人生に突き刺さるような一作でした。

まず良かったのは主演ののんさんの声優としての演技がとにかく素晴らしかった。
変なモメごとで女優としての活動があまりないみたいですけど、
凄くいい女優なのがよく判った。
特に後半になるに連れて複雑になる、すずさんの心境の変化が絵だけでなく声でも確実に伝わって来ましたね。

あと、コトリンゴさんの音楽も天才的に素晴らしかった。
なにより原作に書かれてた当時の歌が、アレンジされているとはいえ音楽として流れてくるのはアニメ化ならではのお得感がありましたね。

物語も主要なエピソードを抑えつつ、戦争という大時代の中で、
生き抜く人々の素朴な姿を、静かに描いてあり、非常に肝心したというか、つまり「そこにある日常」に感動を覚えたし、
それがこの映画の最大の魅力だったのではないでしょうか。

ぅん、こんな素晴らしい映画に出逢えて、本当に幸せな気分です。

そんな感じで、とにかく大絶賛なわけなんですけど、
原作のほうで個人的に一番驚いたシーンが描かれていなかったのが少し気になります。

未読の方にはネタバレになってしまうんですけど、
実は、周作がリンさんの店に通ってたことがあるとかをすずが勘づいてしまう場面です。

原作でそこが突然の"サスペンス"ぽくて単純にぎょっとしたってのもありますが、
それ以降、結構すずがそのことを引きづってて、
故に周作が水原にすずをあてがおうとするエピソードともリンクしてるし、
ひいては最後に震災孤児を拾ってくるオチにまで通じるエピソードかと思うのですが、
そこが抜け落ちてしまってたのがなんか(知っているからかも知れないですが)、
ちょっとばかり原作の核が抜け落ちたような、そんな違和感が残りました。

だから周作とすずが喧嘩する場面も(現代風な)「恋愛」ぽくて「夫婦」の喧嘩って感じがしなかったのかも。。

原作はそこまで踏み込んで「あの時代」を描いてたのが凄かった気がするのですが、
…ちょっと勿体なかった気もしなくもない。

あと、後半は映画の方が晴美さんのことがやや大きく描かれてあって(結構フリからためてた気がする)、
たぶん、賛否別れるかもですけど、
僕的にはかも。

原作でも「あんな悲劇」の時でも泣かなかったすずさんが、玉音放送のあとに号泣するのがだいぶインパクトあったんで、
そこの部分がぐっと心に来ましたので。

それから、何を書けばいいのか、…後から後から思い浮かんでよく判らなくなっているのですが、
演出も良かったですけど、大半は原作のこうのさんの演出が細かく描いてので、その辺は原作をもっと褒めてあげて欲しいところでもあります。

径子がすずを赦すシーンで、その様子を見守る時計の後ろ姿なんか、泣きそうになります。

…なんか書き残したことがまだまだありそうですけど、
あと一個だけ言いたいのは、戦争映画(漫画)で、「鬼いちゃんが死んでよかったと思ってしまっている」なんてとんでもない表現をしているのがもぅ、原作とか読んでてひびったんですけど、
映画でもその表現使ってたのはアッパレでした。

最後に、、、この映画の右が左か分かりづらいニュートラルな視点の戦争映画は、
イデオロギー抜きで愉しめる初めての作品
なのかも知れません。

しかも、笑い満載で誰もが愉しめるエンターテインメントも忘れていない。

悲しくてとてもやりきれない、
けど、泣いてる余裕なんてない(w

…この映画は奇蹟だと思います。

是非、一度ご覧ください。

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