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2017年5月24日 (水)

クロエ

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利重剛監督の映画『クロエ』(2002年/邦)を観た。

ボリス・ヴィアン『日々の泡(うたかたの日々)』をモチーフにした作品で、
詩的かつ濃醇な悲哀の恋愛物語だ。

プラネタリウムで働く高太郎(永瀬正敏)が出逢って恋に落ちたクロエ(黒江?)(ともさかりえ)と結ばれ、
周囲の友人たちに祝福されながら結婚する。
しかし、ある日クロエが肺に睡蓮の花の蕾を宿すという謎のシュールな病にかかってしまう。
あるきっかけで、蕾の咲く進行を遅らせるには花をクロエのそばに置いておくことだと気づいた高太郎は、
毎日彼女に花を捧げるが…、といった、御伽噺のような話しなのだが、
ボリス・ヴィアンほどに設定を架空のシュールな設定にしておらず、
他の世界観は我々の住む世界となんら変わりが無く、
そこにこの作品の意義があるように見受けられる。

この現実世界にふとしたシュールなひとつの設定を与えるだけで、
ファンタジー性が高まるだけでなく、物語は多様性を持って転がり始める。

この作品はそのその悲痛なまでの結末を迎えるが、それは異様な美しさをも映し出す。

共に日々を発見することに幸せを見出すクロエの姿と、
彼女を失いたくない一心で幸せすら見失う高太郎。

それ以外にも人々の哀しみと苦しみが、静かなトーンでひたすら描かれる。

その残酷な人生の転落に、何故だか美しさが垣間見えるそんな作品だった。

本当に恋とはそういうものかも知れない。




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